Serende vol.30

  • 2016-5-30
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ロサンゼルス建築を訪ねて
今回のメインテーマはロサンゼルスの建築。 とりあえず、お約束の「豪邸」を見に、ロサンゼルスの高級住宅地、ビバリーヒルズに向かう。 北側に向かって丘の斜面に、木立に隠れるようにして建つ豪邸の数々。平均金額は2億を超え、プールやテニスコートも当たり前。その佇まいはちょっと人を寄せ付けない雰囲気さえある。 さっそくカメラに収めようと思ったが、それぞれの邸宅の敷地がとにかく広い。並びで家を入れようとするが、到底無理だと早々に諦めた。 高級「住宅街」の雰囲気を伝えられず、残念。 その点同じ高級住宅地でもマリブはちょっと違う。 海に山が迫ってくるような地形のマリブは、海岸沿いのハイウェイを走れば、海側にも山側にも豪邸を見ることができる。 お洒落なショップ、高級マーケット、一流レストランが街中にあり、多くのセレブやハリウッドスターたちが家を構える高級住宅地なのに、どこかのんびりした雰囲気なのは、やはりこの環境のせいだろうか。 それにしても、よくこんなところに家を建てようなどと思ったものだ。 海岸沿いにズラリと並ぶ高床式の家々。海との距離の近さに改めて驚かされる。あっという間に波に侵食されてしまいそうだが、大丈夫なのだろうか。 日本ではちょっと考えられない光景だろう。


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30_3フランク・ゲーリーの建築

ロサンゼルスを訪れたら、フランク・ゲーリーの建築を素通りするわけにはいかない。グニャグニャのフォルム、奇抜な発想から生み出されるユニークな建物の数々は、時に賛否両論あれど、彼がロサンゼルスを代表する建築家の一人なのは間違いない。 「建築界の鬼才」「近代建築の巨匠」などと称されるフランク・ゲーリーはカナダのトロント出身で1947年に家族とロサンゼルスに移住してきた。 ロサンゼルス・シティー・カレッジの夜間クラスに通い、1954年に南カリフォルニア大学で建築学士号を修得後、ハーバード大学デザイン大学院で都市計画を学んだ。 そんな彼が世間の注目を集めるきっかけになったのは、サンタモニカの自宅のリノベーション。自宅に住んだまま、安価な材料を使って増改築を重ねたこの家が、脱構築主義の先駆けとして、世間の注目を集めたのだ。 その後、スペイン・ビルバオの「グッゲンハイム美術館」、ロサンゼルスの「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」など、世界的に有名な作品を数多く発表するようになる。 最近では2014年にパリの「フォンダシオンルイ・ヴィトン」で、また多くの人々を驚かせた。 ロサンゼルスを訪れて、ちょっとヘンテコな建物に出会ったら、それはゲーリーの作品かもしれない。 タイミング良く「ロサンゼルスカウンティ美術館」で、フランク・ゲーリーの企画展示をしていた。 中に入るとゲーリーのスタジオの様子を写した大きなパネルと共に、彼がこれまで手がけてきた作品の模型が数多く展示されている。 模型で見ると、ますますおもちゃみたいだが、これが実際に形になっているというのだからすごい。御年87歳という、その頭の中はどうなっているのだろう?
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30_5_3さて、充分ゲーリー建築を堪能したところで、そろそろ他の建築物にも目を向けてみる。 ロサンゼルスの西側、サンタモニカマウンテンの上に「ゲッティーセンター」というミュージアムがある。 ここは石油王ジャン・ポール・ゲッティが個人で集めたコレクションを展示した施設で、建築を手がけたのはモダン建築の大家、リチャード・マイヤー。 アメリカのニュージャージー州ニューアークで生まれたリチャード・マイヤーは、1984年に建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した、世界で最も有名な建築家の一人だ。 彼の代表作のひとつであるゲッティーセンターは、その建物事体がアート。庭園やその景観まで含めた総合芸術として見応えは充分だった。驚いたことに入場料は無料。一度は訪れてみるといいだろう。 モダン建築つながりで、サンタモニカにある「イームズハウス」も訪れる。 イームズがデザインしたこの自邸は、もともと雑誌の企画で「新しい生活を実現するための実験住宅」として作られた一連のプロジェクトのひとつだという。 有料で内部も見ることができる。写真撮影はNGだが、モダンな室内は一見の価値あり。

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ロサンゼルスおすすめスポット2選

最後に、個人的に良かったスポットを2つほどご紹介しようと思う。 まずは夜のサンタモニカ。 こじんまりとしたサンタモニカ周辺は、ぶらぶらと歩くのにちょうどいいし、夜になっても多くの人で賑わっている。 青い空、青い海、ヤシの木、だだっ広い砂浜…なんてLAらしい風景もいいけれど、夜空に浮かび上がるちょっと幻想的なサンタモニカピアもおすすめだ。 もうひとつ挙げたいのが「カリフォルニア・サイエンス・センター」。 エクスポジションパーク内にあり、ここには1984年オリンピックが行われたロサンゼルスメモリアルコロシアム、ロサンゼルスカウンティ自然史博物館などの施設が併設されている。 入場料は無料で、科学に関する様々なことを体験できる。敷地内に保存してあるカリフォルニア航空宇宙博物館は、フランク・ゲーリーによる初の大型公共建築。 当初、これをカメラに収めようとここに立ち寄ったのだが、展示されていたスペースシャトル「エンデバー」に思いのほか興奮してしまった。 ツギハギ状のシャトルの外装を見ると、これが本当に宇宙に行ってきたのか、と感慨深い。 日本語の解説などはなかったが、映像や図が多かったので、なんとなく雰囲気で理解することができた。 家族でも、カップルでも楽しむことができるだろう。
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