Serende vol.21

  • 2015-10-26

 


21_121_t 今なお、細い石畳の道が縦横に走るフィレンツェの街。ルネッサンスの華やかかりし往時の街並みを今でも見ることができる。ローマやミラノの大都市と比べると、ここはゆったりとした時間が流れている。あてどなく街を散策しても、楽しい時間を過ごすことができるから不思議だ。街の中心は、花の聖母寺ドゥオーモ。1296年から172年間の歳月をかけて建設され、約3万人が一堂に会することができる大きさだ。現地で見ると、とてつもない大きさである。屋根のドーム状の形状を「クーポラ」という。この大クーポラはブルネレスキの設計として有名。463段の階段を登れば、クーポラを間近に見ながら、フィレンツェの街並みを一望できる。ドゥオーモからカルツァイオリ通りを300m程南下するとダヴィデ像(コピー)やネプチューンの噴水があるシニューリア広場に出る。今も昔も、ここがフィレンツェの行政の中心である。広場には、ヴェッキオ宮とたくさんの彫刻が並ぶロッジア・デイ・ランツィが面する。94mの塔を持つヴェッキオ宮はかつてのフィレンツェ共和国政庁舎だ。その先にあるのがウフィッツィ美術館である。かつてのメディチ家の行政局(オフィス)である。メディチ家財力を結集したルネッサンス美術の全てがここにあると言われている。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエル、ボテッチェリらの作品が展示されており、じっくり鑑賞するには、とても一日では足りない。ウフィッツィを抜けてアルノ川に出ると右手に見えるのがフィレンツェ最古の橋「ヴェッキオ橋」だ。洪水(1557年大洪水によりフィレンツェの他の橋は全て流される)や戦火(ドイツ軍がフィレンツェの橋を全て爆破)も逃れ、600年の時を刻んでいる。現在は道の両端に宝石店が並ぶが、13世紀頃は肉屋やなめし革屋が並んでいた。この橋の階上には、ウフィッツィ宮とピッティ宮を結ぶ通路があるのだが、そこを通るメディチ家の方が、匂いが嫌だと言って肉屋を撤去して、宝飾店に変えたのだとか。

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クワトロチェントの輝き 

フィレンツェとルネッサンスの歴史について、メディチ家を抜きにして語ることはできない。出身は薬屋だと言われるが、ルネッサンス期に銀行家・政治家として君臨。後にトスカーナ大公国の君主になった一族であり、ルネッサンスの芸術家の大パトロンである。13歳のミケランジェロを見出し、ラファエロを援助し、ドゥオーモのクーポラを完成させたブルネレスキの後ろ盾にもなっている。ルネッサンスのことをイタリアでは、クワトロチェントと呼ぶ。メディチ家の財力がなければ、クワトロチェントの輝きは無かったかもしれない。

グッチミュージアム
シニョーリア広場のネプチューンの噴水の奥に、グッチがブランド創設90周年を記念して「GUCCI MUSEO(グッチ ミュゼオ)」をオープン。新名所になっている。ミュージアムは、1337年以来の長い歴史をもつ由緒あるメルカンツィア宮殿内に設立され、アーカイブの常設展やアイコン ショップなどを展開。カフェやギフトショップも併設されている。入館料は6ユーロ。1階のカフェでは、シニューリア広場を見ながらくつろぐことが出来る。おすすめは、ギフトショップ。全ての商品に「GUCCI MUSEO」のロゴが入っている。

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21_5中央市場  イタリアの食
イタリアの食を楽しむため、話題のレストランを巡るのもいいが、地元の市場に行くのはどうだろうか。見たことのない食材や種類の多さ、日本にはない色彩を見学し、市場の人と会話をすれば、その土地を深く知るきっかけになる。「フィオレンティーノ(フィレンツェ人)の胃袋」と言われる、中央市場(メルカート・チェントラーレ)は屋根のある常設市場である。肉屋や八百屋以外に、食材店も多く、小分けに包装された食品を購入することができる。お店の天井からは、肉やハム、ニンニクやチーズがぶら下がり、店先にはカラフルな野菜や果物が並んでいる。見るだけでも楽しいが、魅力は食材の安さ。例えば、乾燥トマト2ユーロ、ポルチーニ茸6ユーロ、チーズ5ユーロ~で売られている。真空パックにしてくれるので、お土産として買って帰れば喜ばれるに違いない。

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