Serende vol.28

  • 2015-10-21


シンガポールを歩く
1965年にマレー連邦からの独立を果たしたシンガポールは今年建国50周年という節目を迎える。 年間を通して様々な行事が計画され、国を挙げてのお祭りムードに沸くシンガポール。訪れるにはいいタイミングだったかもしれない。 とりあえずお約束のものを、と真っ先に訪れたのはマーライオンパーク。世界三大がっかりなんて揶揄されたのは昔の話。場所も移動し、サイズアップした現在のマーライオンはシンガポールのアイコンとして今も健在。ラッフルズプレイスの高層ビル群を背景に、元気いっぱい水を吐いていた。 マリーナベイを挟んで対岸にはドリアンの愛称を持つ「エスプラナード・シアターズ」そしてマーライオンが見つめる視線の先にはシンガポールの新しいシンボル「マリーナベイサンズ」を中心とした近未来的な光景が広がっている。新旧アイコン対決とでも言おうか、ドラマチックな眺めを充分堪能したところで、そろそろ散策に出かけることにする。 マーライオンパークがあるシティエリアには植民地時代に由来する優雅な雰囲気の建物がまだ多く残っている。マーライオンの背後に控える豪奢な「ザ・フラトン・ホテル」も植民地時代中央郵便局などに使われていたものをホテルとして改装したものだ。 脇にかかるシンガポールで最も古いカヴェナ橋を渡ると「ビクトリア・コンサートホール&シアター」「セントアンドリュース大聖堂」そしてシンガポールが誇る最高級ホテル「ラッフルズ・ホテル」など近代シンガポールの歴史を肌で感じることができる。


気に満ちた「マリーナベイサンズ」
3つの塔の上に船を浮かべたような奇抜なデザインの「マリーナベイサンズ」。シンガポールの新しいランドマークは多くの観光客でにぎわっていた。 マーライオンパークからの眺めもいいが、間近で見るのはまた格別。 よく見ると3つの塔はそれぞれ2つの建物が反り返って建っている。自然災害の少ないシンガポールならではだろうが、日本ではまず考えられないカタチに圧倒される。 屋上のスカイパークに上ってみる。ちょっと身を乗り出すと、宿泊客だけが利用できるというプールエリアが見えた。噂の天空プールの眺めも気になるが、これはこれで充分楽しめる。 さて、シンガポールのパノラマを楽しんだ後はすぐ隣にある植物園へ。2012年にオープンした「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」はシンガポール最大の植物園で、世界中の珍しい植物が集まる。 中に入ると「クラウドフォレスト」「フラワードーム」という二つのドームがあって、28S$で両方とも見学することができる。 まるでジブリの映画にでも出てきそうな緑の山や、色とりどりの花を見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。 しかしなんといっても圧巻なのが巨大樹をイメージしたというスーパーツリー。全部で18本からなるこのツリーグローブは夜になるとライトアップされ、光のショーを無料で見ることができるのだ。 シンガポールに来てこれを見逃す手はないだろう。


シンガポールのナイトシーン
ツリーグローブによる光のショーも含め、シンガポールは夜がまた楽しい。 屋上バーでは様々な夜景が楽しめるのだ。 「ワン・アルティテュード」は62階建ての高層ビルの屋上にあるバーで、マリーナベイサンズも見下ろす位置にある。 メニューは少々高いものの、ロマンティックな眺望を楽しむには絶好のロケーションだ。 マリーナベイサンズのスカイパークにあるバー「ク・デ・タ」は地上57階。一杯やりながら昼間上った時とはまた違った景色が眼下に広がる。 フラトン・ベイの最上階にある「ランタン」は地上6階だが、南国リゾートのような雰囲気のバーで、プールごしに見るマリーナベイサンズもまたいいものだ。 シンガポール川の周辺に話題のレストランやバー、クラブやカフェが集まるラーク・キーは、夜になると、5ブロックある倉庫がネオンで彩られ、川沿いに並ぶレストランのオープンテラスでは皆思い思いにシンガポールの夜を楽しんでいる。 多民族国家シンガポールらしく、集まる人種もさまざまだ。川沿いなので夜風も心地よく感じる。 クラークキーからマーライオンパークまでは約500円で水上バスが出ているので乗ってみた。 多分これが一番低い位置から眺める夜景だろう。万華鏡のような光が水面にゆらめく様はとても幻想的で、これはこれでまた趣があっていい。 折しも春節にあたるこの時期、街中には中華風のイルミネーションも多く見られた。訪れる人もいつもより多いようで、どこもかしこも込んでいる。タクシーがなかなかつかまらないのにはちょっと困った。


食を楽しむシンガポーリアン

さまざまな人種が暮らすシンガポールではその食文化も実に多種多様だ。 3大民族の中国系、マレー系、インド系の料理はもちろん、フランス、イタリアなどの西欧料理やタイ、ベトナム、日本料理なども楽しむことができ、まさに世界中の料理が食べられる。 おまけにシンガポールの人々というのが実によく食べるらしい。食が道楽といっても過言ではなく朝、昼、晩の三食以外にもブランチ、ティータイム、サパー(夜食)を楽しむ人が多い。 どんなに忙しくても、食事の時間を削ることはしないというのがシンガポーリアンの国民性らしい。そういえばシンガポール航空の機内食が美味しいというのは昔から有名だ。 しかし、家で食事をとる人はまれで、人々の大半は外食、特にホーカーズセンターと呼ばれる屋台街を利用している。 シンガポールでは現在路上屋台が禁止されており、以前路上で商売をしていた屋台を集めて作られたのがホーカーズセンターだ。これはシンガポールに無数に存在し、人の集まるようなところには必ずあるといっていい。値段も安く、1食分の値段が3~5S$(240円~400円)程度で済む。 移民の多かったシンガポールでは生活の基礎を築くために男女の区別なく働かなければならなかった。そうした忙しい人々の食事をまかなうためシンガポールでは外食文化が根付き、誰もが安く食事できる屋台が増えていったのだという。

 

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