Serende vol.27

  • 2015-10-21

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中世と現代が共存する都市、バルセロナ
バルセロナほどユニークな都市は珍しい。 中世を思わせる佇まいの旧市街と、それを囲むように格子状に広がる19世紀以降の新市街。その中で重厚なゴシック建築やガウディに代表されるモデルニスモ建築、さらにモダニズムなデザインの建物などが違和感なく共存している。 今回のセレンデでは、バルセロナの街を散策風に紹介してみたい。 まず、「グラシア通り」からスタートしよう。この通りは高級ホテルやブティックが立ち並び、東京で言えば銀座、フランスで言えばシャンゼリゼのような通り。 通り沿いには、カサミラやカサバトリョといったガウディの有名な建築物もあるので、バルセロナに行くなら絶対に押さえておかなければいけない場所だ。 この通りは街灯ひとつとっても洒落たデザインで立ち並ぶビルも全て個性的で面白い。カサミラのはす向かいには、波打つような鋼のファサードが印象的なスイーツアベニューホテルがある。ここは、もともとあったオフィスビルをコンドミニアムとして改修したそうだが、その際日本人建築家の伊東豊雄がファサードのデザインを担当。波打つ曲線が光の加減によって表情を変える。この繊細な仕事が日本人の手によるものだというのはなんだか嬉しい。

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ランブラス通りからベイエリアへ

グラシア通りを抜けてカタルーニャ広場を越えると、バルセロナのメインストリート、ランブラス通りに出る。旧市街の中心部と港を結ぶこの約1.2㎞に及ぶ道は、かつて大雨の時にだけ水が流れる涸れ川だった。それが道路として利用されるようになり、19世紀になって現在の形に整備されたそうだ。 大通りの中心は歩道になっており、通り沿いには洒落たカフェや売店が彩りを添え、大道芸人達がそれぞれの技を競い合う。スペインの詩人ロルカが「終わってほしくないと願う世界にひとつだけの道」と言うだけあって、歩道を縁取るプラタナスの並木がとても美しい。ランブラス通りの歩道の真ん中にあるミロのモザイクが有名だが、うっかりすると見過ごしてしまうくらい風景に馴染んでいた。(実際、他の撮影に夢中で通り過ごしてしまった。) ランブラス通りの終点、コロンブスの塔が見えれば、地中海を望むベイエリアとなる。 ベイエリアは1992年のバルセロナオリンピックを機に再開発され、高級ホテルやヨットハーバーといった商業レジャー施設と共に、ビジネス施設も揃う、バルセロナの中でもモダンな地域だ。 その先に地中海に面するバルセロネータビーチがひろがる。ここにはビーチを挟むようにして2つのランドマーク的ホテルが建っている。スペイン随一の高さを誇る「ホテルアーツ」と船の帆のような形が印象的な「Wバルセロナ」だ。 ホテルアーツからWホテルを目指して海水浴客で賑わう海岸を歩いていると、陽気なモヒート売りとすれ違う。 平日なのに凄い人出だが、どうもヨーロッパ中から観光でやってきているようだ。 ビーチで一番驚いたのが、潮風で体がべたつかなかったことだ。地中海の気候のせいだろうか?日差しも柔らかかった気がする。何時間でも砂浜に寝そべりたい感覚になる。 名残惜しみつつ、海岸からロープウェイでモンジュイックの丘へ。 バルセロナ市街を望む絶景ビューを探しながら、モンジュイック城へ向かう。 ロープウェイの中からは絶景なのだが、残念ながら撮影可能なポイントは見つけることが出来なかった。

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旧市街を歩く
再び市街地へ戻り、旧市街と呼ばれる古くからの街並を散策してみる。 旧市街の一角にあるボルン地区は、入り組んだ路地にブティックやセレクトショップ、雑貨屋などがひしめき合う、地元っ子にも人気の今注目のエリアだ。 小さな店をひやかしながら歩くのも楽しいが、この辺りには洒落たバルやカフェも多いので、休憩するにもどこに入ろうか目移りしてしまう。 そのままライエタナ通りを渡ってゴシック地区へ。バルセロナ旧市街の中でもひときわ古い歴史を持つこの一角。その起源はローマ時代にまで遡る。そのため古代ローマの城壁跡や王の広場といった歴史的な建物が多く、中世の趣ただよう観光客にも人気のエリアだ。 モデルニスモ建築の傑作で世界遺産にもなっているカタルーニャ音楽堂もここで見ることができる。 そんなゴシック地区に「カテドラル」と呼ばれるサンタ・エウラリア・バルセロナ大聖堂がある。 サグラダ・ファミリアの影に隠れがちだが、バルセロナの大聖堂といえば実はこちらが本家なのだとか。 大聖堂前の広場は多くの人で賑わい、皆それぞれにくつろいでいる。 すぐ側にはギターの弾き語りや歌を歌うパフォーマーなどもいたが、そのレベルの高さには驚かされた。 広場を挟んで向かいに見える大きな壁画はちょっと見たところ、子供の落書きのようだが、なんとピカソの作品らしい。 ところで、旧市街を歩いていると路地で観光用の黄色いゴーカートに出合うことがある。その名も「Go Car」。とても小さな二人乗りの車で、バルセロナの細い路地でも余裕でいけるレンタカーだ。国際免許があれば乗れるらしい。次回にはチャレンジしてみたい。
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27_7バルセロナの食事情
スペインでは、1日に5回も食事をとるといわれる。実際のところ、皆が皆ということもないそうだが、14時頃からゆっくりとる昼食が一日のメインで、21時頃から夕食が始まるなど、日本とはだいぶ生活のリズムが違うようだ。 そんな食事スタイルに「バル」はかかせない。カフェ兼居酒屋といった感じの店だが、コーヒー1杯から酒や軽食までカウンターで気軽に楽しむことができる。バルで出される酒のつまみや軽食はタパス(Tapas)と呼ばれ、オープン・サンドイッチ状の指でつまめるような料理をピンチョスという。 旧市街を散策していた時、地元で有名なバルで夕食をとったが、店内にずらりと並ぶピンチョスはどれも美味しく、お酒にピッタリだった。 バルセロナの料理は海と山の幸を使ったシンプルな調理法のものが多く、日本人にも親しみやすいようだ。 そんなバルセロナの食を支える市場を今回2カ所訪れてみた。 まずはランブラス通りにあるバルセロナ最大のボケリア(サンジュセップ)市場。ここはバルセロナの台所と呼ばれ、ありとあらゆる食材であふれている。観光客も多く(スリも多いので要注意)色とりどりの食材を眺めて歩くだけでも楽しい。 お昼時ということもあり、市場のバルでタパスとパエリャを頼む。日本のパエリアはパサパサしてるイメージだが、ここのはしっとりとしていて美味しい。 もう一つ。カテドラルのほど近くにあるのがサンタカタリーナ市場。バルセロナの建築家エンリック・ミラーレスが改修設計を手掛けたというカラフルで波打つような形の屋根が特徴的だ。 ボケリア市場ほどの規模はないものの、場内はいつも活気に溢れていて、場内にある人気レストラン「Cuines Santa Caterina」では開放的な店内で美味しいシーフードなどが楽しめる。

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